ホテル業界の動向



第19回 「心の豊かさ」・「物の豊かさ」どちらの生活を選びますか…

2004.07.02

日本は世界第2位の金持ちなのに…

 総額1,460兆円、国民1人当り1,150万円。何かというと日本の「個人金融資産残高」の金額です。日本銀行によると、日本の個人金融資産残高の総額は「米国」(4,260兆円)に次いで世界第2位であり、3位「イギリス」の約3倍の規模を誇っています。(因みに4位が「ドイツ」で5位が「フランス」です)

 国民1人当りの金融資産残高でも、「米国」(1,490万円)に次いで世界第2位であり、3位のイギリス(910万円)とは大差はないものの、4位のドイツ(523万円)や5位のフランス(620万円)と比べると約2倍のお金持ちなのです。でも実感がないですね。何か足りないと感じるのは何故なんでしょう。

世論調査「今後生活で何を重視したいか」に対する答えは…

 そこで内閣府が毎年実施している世論調査から興味深いデータをご紹介します。

 平成15年(2003年)の世論調査によると、全国に住む20歳以上の7,000人に対し"今後生活で何を重視したいか"と聞いたところ、以下のように答えています。

1位
「レジャー・余暇生活」・・・35.5%
2位
「所得・収入」・・・29.5%
3位
「食生活」・・・25.5%
4位
「資産・貯蓄」・・・24.3%
5位
「自己啓発・能力向上」・・・23.4%

 15年前の平成元年(1989年)の同調査では、「レジャー・余暇生活」と答えたは33.7%と今とあまり変わらないのに対し、「食生活」と答えた人は15%から25.5%と大幅に増えています。最近食文化に対する人々の関心が高まっていますが、それを裏付ける数字といえます。

世論調査「心の豊かさ」それとも「物の豊かさか」に対する答えは…

 また別の質問である"今後の生活の仕方について"は、以下のように答えています。

1位
「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をしたい」(心の豊かさ)・・・60.0%
2位
「まだまだ物質的な面で生活を豊かにしたい」(物の豊かさ)・・・28.7%

 平成元年の同調査では、「心の豊かさ」が49.3%で「物の豊かさ」が32.7%でしたので、15年間で「心の豊かさ」を求める人が10%増加したことになります。さらに遡る事27年。昭和51年(1976年)の同調査では、「物の豊かさ」が41.4%で「心の豊かさ」39.9%を上回っていました。しかしながら、この年を最後に「心の豊かさ」が「物の豊かさ」を逆転します。そしてその後の27年間で「心の豊かさ」を望む人が20%も増加しました。
 この先10年後には"65%になっているのか70%になっているのか"分かりませんが、この傾向は今後も続いていくと思われます。

 ところで近年「物余り現象」といわれる「消費需要の低迷化」が話題になっていますが、実際問題として私たちの身の回りには物が溢れていますね。何でも余りあるほどあるのではないでしょうか。これまで日本経済は"大量生産、大量消費あっての繁栄"という経済構造を続けてきましたが、そろそろそういった悪循環と決別する時期にきているのではないかと思います。
 大量消費は大量廃棄になり環境破壊にも繋がっていますから、"物を大切にする"ということは地球環境を守ることにもなります。
 そこで例えば"国内旅行に行く"とか"ホテルで食事をする"とか"買い物に代わる他の大切なもの"を見つけて"心豊かになる"のはどうでしょう。そうなればホテル旅館業界も商売繁盛ですので・・・。

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