第18回 外国人観光客も喜ぶ「日本らしい街並み」とは…
2004.06.24
日本人とドイツ人の街づくりとは…
美しいヨーロッパの街並みをよく見ると、一つ一つの建造物が美しい訳ではなく全体が調和しているから美しいのだと気づきます。つまり汚いものや奇異なものが無いのです。それは大都市であっても郊外であっても同じです。
ドイツでは社会全体の利益の前では個人の自由は抑制され、日本ではあくまでも個人の権利が最優先されています。
"個性の表現とは他とは色や形が違うことだ"とされる日本においては、基準さえクリアすれば周りとの調和など気にせずどんな建物でも看板でも許されます。それが日本における個人の自由と権利であり、日本人の活力にもなっているのです。
それはそれで素晴らしいとは思いますが、願わくば都市空間に日本らしさがあればと思います。日本のアイデンティティと申しましょうか、そういうものです。
「日本らしさ」とは…
戦後日本のアイデンティティは失われてしまったといわれていますが、実際のところどうなのでしょうか。鎖国以降の近代化の過程で、伝統や文化を捨ててまで世界に追いつこうとしてきたからだという意見。或いはまた戦後処理の過程で日本的なものがことごとく否定されたからだという意見等々いろいろあります。
それともアメリカに追従してきたことにより、少しアメリカ化してしまったということでしょうか。"人は付き合う相手に影響される"といいますから。世界一の自由と繁栄を手に入れた日本ではありますが、自由と繁栄を引き換えに"古き良きものを後世に残す"ことを忘れてしまったのは確かです。
焼け野原からまもなく60年、もう充分に裕福になっていますので、そろそろ"繁栄に代わる他の大切なこと"にも取り組む時期に来ているのかもしれません。
ところで日本のアイデンティティとは何なんでしょうか。分野ごとに異なるし、特にグローバル化が加速していますからこの問題難しいですね。外国人の中には"日本は物真似民族だ"などと評する声がありますが、とんでもありません。日本には"日本の思想や文化"がちゃんとあるし、世界に誇れる"古き良きもの"もまだたくさんあります。
古くは大陸に学び独自の文化を築き上げ、開国後はそれが「ジャポニズム」となり19世紀には先進諸国の文化に大きな影響を与えています。あるいは明治以降の短い近代化の歴史のなかで多くのノーベル賞受賞者を輩出しています。ところが現在、「アメリカのポチ」などと自嘲している日本。司馬遼太郎の小説のタイトルではないが、日本という「国のかたち」について考える今日この頃です。
次回は、「心の豊かさ」・「物の豊かさ」どちらの生活を選びますか…についてご紹介します。