ホテル業界の動向



第17回 「京都の街並み保全と再生」を国家プロジェクトに…

2004.06.09

「おこしやすプラン21」で観光客5,000万人に…

 日本が世界に誇る歴史都市「京都」では、街並みを保全するため厳しく規制されています。ところが厳しいその規制も世界の基準でみればかなりゆるやかな規制とされ、街並み保全と再生の在り方が問われています。
 平成14年度(2002年)に京都を訪れた観光客は、前年より85万人増え過去最多の4,217万人(外国人は米国人13万人など合計48万人)を記録しました。しかしながらここ数年(平成9年度が3,891万人)微増はしているものの横這いの状態が続いています。

 そのため京都市産業観光局では、平成13年(2001年)に「京都市観光振興推進計画~おこしやすプラン21~」を策定し、"2010年に5,000万人にしよう"と観光客誘致に取り組んでいます。京都市としては"観光を通して経済活性化と魅力的な町づくりを実現しよう"というわけですが、厳しい現実に直面しています。
 折りしも2010年は、政府が現在進めている「グローバル観光戦略」が掲げている"訪日外国人観光客1000万人実現"の年でもあります。

「京都の景観保全と再生」その課題とは…

 京都観光といえば、「ユネスコ世界遺産登録の神社仏閣(17ヶ所)」など数多くの歴史遺産が最大の人気ですが、これらに頼った観光振興ではこれ以上の集客は望めないのが現状です。そこで京都市が着目したのは「京町屋の伝統的な街並み」で、新たな観光資源にしようとその保全と再生に取り組んでいます。
 ところが京都は世界有数の歴史都市であるとともに、人口146万人(平成16年3月現在)を擁する大都市でもあり、市中心部(北区、上京区、左京区、中京区)だけでも48万人の市民が暮らしています。京町屋は魅力的な観光資源である一方で、実際に人が住んでいる住居でもあるわけです。

 その大半がある市中心部は「都市計画法」により防火地域に指定されているため、"延焼の恐れがある"などの理由で意匠の特長を維持したまま建て替えができません。さらには住民の高齢化などで高額の相続税が払えず、町家を売却する例も増えています。
 その結果マンション等への建て替えが増加し、特に高さ20m以上のマンション建設は1999年以降急増し、それまで年間30件程度だったものが今や年間60件を超えるという状況です。

減り続ける「京町屋の伝統的街並み」の保全と再生…

 町屋建築は「むしこ窓」や「格子戸」などの日本的意匠を特長とし、商家と民家の機能を併せ持つ伝統的な建築物ですが、昭和53年(1978年)当時京都市内には6万1,000軒の町屋がありました。ところが20年後の平成10年(1998年)には2万8,000軒に減り、その後も年間1,000軒のペースで減少し続けている状況です。

 京都市としては何としてもその街並みを保存したいわけで、そこで考えたのが助成金を出してレストランや店舗、或いは宿泊施設への改造を促すことでした。
 既に400軒ほどが店舗として営業していますが、その歴史的街並み保全は京都のみにとどまらず、強いては日本の観光資源保全の在り方を左右する課題といえます。

次回は、外国人観光客も喜ぶ「日本らしいの街並み」とは…についてご紹介します。

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