ホテル業界の動向



第16回 日本の街並みをきれいにする「電線類の地中化」…

2004.05.17

「電線類の地中化」の進み具合は…

 日本の都市景観が欧米に比べ汚いといわれる要因は幾つかありますが、その一つに空に張り巡らされた電線類と歩道の電柱があります。電線類を地中化することの必要性は以前から認識されていましたが、工事費が安い、或いは工事が早い等の理由でこれまでは「電柱を使用した架空線方式」が行われてきました。

 都市景観の向上、さらには都市災害の防止などのため電線類の地中化は重要な課題なのですが、対応が遅れた背景には複雑な事情があります。

 電柱の所有者はNTTや電力会社であり、その電柱に電話、電気、さらには相乗りした形でCATVや音楽のケーブルが架かっています。また道路は市などの地方自冶体が道路管理者として占有料を事業者から徴収しています。ですから電柱に代わる「共同溝」を建設するにしても、いろいろと問題があった訳です。

 内閣広報室によると昭和61年(1986年)から平成10年(1998年)までの13年間に、都市中心部の商業・ビジネス地域を中心に約3,400kmの地中化が実施され、平成11年(1999年)から平成15年(2003年)までの5年間には、商店街や住宅地の幹線道路も対象となりそれまでの2倍のペースで約3,000kmの電線類地中化が進められたという。
 東京都内でも表通りなどでは地中化が進み、電柱を殆ど見かけなくなってきました。しかしながら世界のレベルからみれば著しく遅れているのが実情です。

「電線類の地中化」世界のレベルは…

 世界で最も進んでいるパリやロンドンでは1977年時点で既に100%であり、ドイツのベルリンで99%、ミュンヘンで88%という状況です。遅れているといわれるニューヨークでも70%で、東京の場合はというと一番進んでいる中央区が1998年時点で35%、23区となると3.1%という低いレベルです。

 日本が世界に誇る「京都」の場合でさえ、市内の幹線道路や主要地域に関しては昭和61年(1986年)頃から重点的に工事が進められてきたものの、現時点で地中化が済んだ距離は延べにして約40㎞という状況です。
 伝統的建造物の多い祇園・岡崎地区の「仁王門通と神宮道」なども未着手でしたが、今年から3年かけて約1.5kmを集中的に実施するということです。京都市や奈良市等の歴史都市については、1日でも早く全ての電柱を地下に入れていただきたいと思います。

次回は、「京都の街並み保全と再生」を国家プロジェクトに…についてご紹介します。

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