第13回 日本とは根本的に違う「ドイツの歴史的街並みの保全」とは…
2004.04.23
ドイツでは旧市街地が街のシンボルです
経済大国であるとともに観光大国でもあるドイツ、私も昨年の夏休みに行ってきました。訪問先はローテンブルク、ハイデルベルク、フランクフルト、ミュンヘンでしたが、これらの都市は何れも中世の歴史的街並みである旧市街地が街のシンボルとなっています。
街のシンボルである旧市街地は中世からずっと無傷で残されてきたのかというと、その多くが第2次世界大戦で壊滅的な被害を受け瓦礫の山となった後、戦後忠実に復元されたものなのです。
ドイツ人の古い物へのこだわりにはほんと感心します。ドイツ人(フランス人やイギリス人も)は"古い物ほど価値がある"と考えているので、物を大切にします。したがって家はもちろんのこと家具なども壊れたら修理して少しでも長く使うのです。彼らには街並みの復元も同じことなのでしょう。新しい物好きの日本人には真似が出来ないですね。
戦後忠実に復元されたドイツの古い街並み
"中世の宝石"といわれるローテンブルクは、終戦直前の誤爆により旧市街地の半分近くが破壊され、ミュンヘンも市街地の大半が廃墟となっています。戦後の復興は行政指導によって行われましたが、その際最優先されたのは近代的なビルを建てることではなく、戦前の古い街並みに戻すことでした。
ミュンヘンはバイエルン州の首都であり、人口130万人を擁するドイツ第3の大都市です。その大都市を第三帝国(ナチス支配体制)を象徴するような建造物は撤去したうえ、戦前の姿に忠実に復元したというのですから驚きです。
人口65万人のフランクフルトは例外的に"経済大国ドイツを象徴する"ように高層ビルが林立していますが、このフランクフルトでさえレーマー広場一帯は中世当時のように復元され、高さ95mの大聖堂が旧市街地のシンボルとして空高く聳えています。
ドイツでは広場を中心に街が形成され、集会のための聖堂が建てられました。そして教会の尖塔がどこからでも見えるように街づくりが行われてきたということなので、当然といえば当然なのでしょうが"大聖堂が聳える街の景観"は本当に凄いと思います。
次回は、どうすれば日本の街並みは美しくなるのだろう…についてご紹介します。