ホテル業界の動向



第12回 「外国旅行が大好きなドイツ人」、その背景は…

2004.04.14

外国旅行者数は世界一だが…

 世界で一番外国旅行をしている国民はドイツですが、その背景には先進国で最も進んでいる「労働時間の短縮」と「長期休暇取得」があるといえます。1人当りの「年間総実働時間数」は日本に比べ2割も少ない上に、8割の人が6週間の長期休暇を取得しているのです。
 世界一の高賃金と短時間労働、だからこそ思う存分旅行に出かけることができるといえます。何とも羨ましい話ですが、一方では失業率も10.4%(2003年5月)と先進国の中ではトップで、深刻な社会問題になっています。

 最悪といわれる日本の失業率でも現在5.5%(2003年1月)ですから、ドイツの場合かなり厳しいですね。ちなみにフランスの失業率も最悪で、1997年(12.5%)以来減少し続けているとはいえ、まだ9.1%(2003年1月)という高さです。何事でもそうですが、いい所だけ見ていてはいけないですね。

ドイツ人のバカンス旅行とは…

 ところでバカンスといえば真っ先にフランス人を思い浮かべますが、その上をいくのがドイツ人で、旅行日数の平均は30日(フランス人25日)という。ドイツ人にとって家族の次に大事なのは長期休暇であり、言い換えれば"長期休暇を家族とどう過ごすか"が、一番の関心事なのです。ですからお父さんだけが一人楽しむゴルフなどはあまり人気がありません。

 ドイツ人に最も人気のある旅行先は、"太陽がさんさんと輝く"地中海沿岸の国々ですが、このへんの事情は太陽に飢えている欧州の人に共通した傾向といえます。国籍でいうとスペイン、イタリア、オーストリア、トルコ、フランス、ギリシャの順で、その他タイ、メキシコなども人気のようです。
 日本には約9万人(2001年度)の旅行者が来ており、欧州の中ではイギリス(約22万人)に次いで2番目でした。

世界中どこへでも行けるのは何故…

 また世界中どこへでも旅行するのがドイツ人の特長です。フランス人は"英語が苦手なのでフランス語が通じる所にしか行かない"といわれていますが、ドイツ人はほとんどの人が英語が話せ、フランス語やスペイン語を話す人も少なくないということなので、どこへでも旅行できるのかもしれません。英語が話せるとほんといいですね。ちなみに外国旅行者数の世界第2位は英語を話すアメリカ人で、第3位はイギリス人です。

次回は、日本とは根本的に違う「ドイツの歴史的街並みの保全」とは…についてご紹介します。

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