ホテル業界の動向



第8回 「韓国の観光産業」は国の柱となるか…

2004.02.18

着々と進む韓国の観光振興政策

 前回はシンガポールと香港についてご紹介しましたが、今回はこの2カ国に負けず劣らず頑張っているお隣の韓国の観光振興についてご紹介します。
 韓国政府が見込んだ2003年度の国際旅行は、外国人旅行者受入数700万人、収支120億ドルの黒字、雇用創出70万人とされています。これまでの実績をみると外国人旅行者受入数510万人(2001年)、収入68億ドル(2000年)、収支6億ドル(2000年)の黒字ですから、かなり強気の数字です。どうしてそこまで強気なのか、その訳を知って納得しました。

 韓国政府は1999年に「レインボープラン」と呼ばれる観光政策を策定し、観光産業をハイテク産業と並ぶ産業の柱と位置付けました。その概要は美しい自然と韓国固有の文化が残る南海岸300kmを国際観光の拠点として開発することにより、2010年までに外国人旅行者を180万人増加させ、経済波及効果2.7兆ウォン(2,700億円)、雇用創出効果14万人を実現させようというものです。
 そのために韓国政府は総額15兆ウォン(約1兆5,000億円)に及ぶ資金を投入し、鉄道の整備、観光道路の整備、地方空港の整備、観光拠点の整備など観光インフラ整備を進めているのです。これまでソウルと釜山の2拠点に集中していた韓国の国際観光ですが、この観光政策により韓国南海岸に東アジア有数の観光地が形成されることになります。

観光宣伝の予算もトップクラス…

 そこで気になる韓国の観光宣伝の予算(2001年度)を調べてみました。韓国の予算は119億円(韓国観光公社)で、シンガポール(152億円)に次いでアジア第2位です。香港が91億円で日本はたった(?)の34億円、なんと韓国の28%です。
 国家予算に占める割合で比べるとさらに驚きです。韓国が100兆ウォン(10兆円)の0.1%、シンガポールが300億Sドル(2兆円)の0.7%、日本は81兆円ですから数字になりません。
 ついでに2002年度の国内総生産(GDP)でも比べてみてください。韓国590兆ウォン(59兆円)、香港1700億ドル(18兆6000億円)、シンガポール1500億Sドル(10兆9000億円)、日本500兆円です。
 スペイン(39億円)やイタリア(33億円)は別にして、積極的な観光振興政策をとっている諸国の宣伝予算が100億円前後であることを考えると、日本の場合「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の20億円が加算されたとはいえ、国力から考えるとちょっと少ないですよね。

 私が住んでいる「東京」には250万人の外国人旅行者が訪れていますが、韓国の「ソウル」には380万人の外国人旅行者が訪れています。韓国が国を挙げて観光インフラを整備していますので、この先ますます差が広がってしまうかもしれませんね。東京の方がポテンシャルは高いと思うのですが、いかがでしょうか。
 東京都の試算によれば、仮に東京の訪日旅行者数が250万人から600万人に増加した場合、約5,700億円の経済波及効果と3万7千人の雇用創出効果が見込めるという。日本政府の『グローバル観光戦略』に期待しましょう。

☆日本人向けの『韓国観光公社のホームページ』
http://japanese.tour2korea.com/

次回は、歴史的遺産・沖縄「首里城」復元の背景とは…についてご紹介します。

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