第1回 「観光立国を目指す日本」その狙いは…
2003.10.29
平成15年度の観光政策は…
先ごろ読んだ平成15年版『観光白書』から「平成14年度の観光をめぐるトピックス」についてご紹介します。観光白書は国土交通省が毎年7月に発行する政府刊行物で、内容は「平成14年度観光の状況についての報告」と「平成15年度において講じようとする観光政策」について書かれています。書店で販売またはインターネットにも公開されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。また「国土交通省の観光政策」について詳しく知りたい方はWEBサイトをご覧ください。
それによると、政府(国土交通省)は経済回復策の一つとして、平成15年度から"観光振興に力を入れ観光立国を目指す"方針です。その背景にあるのは国際旅行収支のアンバランスで、昭和45年(1970年・注1参照)を境に日本人海外旅行者数と訪日外国人旅行者数が逆転し、以後その差は広がる一方となっています。
- 注1:
- 昭和45年(1970年)において日本人海外旅行者数は66万人、訪日外国人旅行者数は85万人でした。しかしながら、翌年に日本人海外旅行者数96万人、訪日外国人旅行者数66万人と逆転し、現在に至っています。
『グローバル観光戦略』とは…
平成14年度において日本人海外旅行者数1,650万人(対前年比1.9%増)に対し、訪日外国人旅行者数は520万人(対前年比9.8%増)という状況です。国際旅行収支でみると35億ドル(3,800億円)の収入に対し264億ドル(2兆9,000億円)の支出で、なんと差し引き▲229億ドル(2兆5,000億円)もの赤字になっています。
そこで政府はこのアンバランスを是正するため、外国人旅行者の訪日を促進する「グローバル観光戦略」(注2参照)を策定し、日本の文化や自然環境を国際的にPRするとともに、併せて外国人旅行者を意識した個性的な観光地づくりを進めようというわけです。
小泉首相も昨年1月の国会における施政方針演説の中で、「観光の振興に政府を挙げて取り組み、外国人旅行者数を2010年には1,000万人に倍増させることを目標とします」と述べています。
- 注2:
- 国土交通賞が平成14年12月に策定したもので、その施策の概要は①外国人旅行者の訪日促進、②外国人旅行者の受入れ体制の整備、③観光産業の高度化、④推進体制の構築となっています。
簡単にいえば、観光の振興に国を挙げて取り組み、"2010年に訪日外国人旅行者数を1,000万人にする"国策ということになります。
次回は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」についてご紹介します。